永守重信 ながもり しげのぶ
1944年京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒業。73年、28歳で従業員3名の日本電産株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。80年代から国内外で積極的なM&A戦略を展開し、精密小型から超大型までのあらゆるモータとその周辺機器を網羅する「世界No.1のモーターメーカー」に育て上げた。代表取締役会長兼社長(CEO)、代表取締役会長(CEO)を経て、2021年より代表取締役会長。
2014年、世界のすぐれたモータ研究者の顕彰と研究助成を目的とした公益財団法人永守財団を設立、理事長に就任。また18年には京都先端科学大学を運営する学校法人永守学園理事長に就任。ブランド主義と偏差値教育に偏った日本の大学教育の変革と、グローバルに通用する即戦力人材の輩出に情熱を燃やしている。
著書に、『「人を動かす人」になれ!』(三笠書房)、『情熱・熱意・執念の経営』(PHP研究所)など。
著者の永守重信氏が、日本電産株式会社を立ち上げ大きく成長させていく上で経験したことを実体験を用いて書いています。
経営者として「何を考え」「何を実行し」「どういうことを常に心がけておかなければならないか」ということをこれからの世代の方に伝える内容となっています。
そして、幾度もの危機にあって、それをどうやって乗り切ってきたのかも赤裸々に綴っています。
・経営者の心得
・面白い人材採用法の成功例
・困難との向き合い方
・壁にぶつかったときの考えかた
・成しとげる力をつける方法
・目標の大切さ
・行動の早さの大切さ
・リスクを取ることの大切さ
・リーダーシップのあり方
・たゆまぬ努力の必要性
・社員との危機感の共有の仕方
・チャンスを掴む方法
・常に前向きな心の持ち方
・地味な努力の大切さ
・逆境の人生の経験談
・自分で考えること大切さ
・人の育て方
・他人をやる気にさせる方法
・人の叱り方
・リーダーに求められること
・決断に至るまでのプロセス
・つねに気をつけておくべき6悪の感覚
・お金の使い方
・才能の見つけ方
・今後に求められる才能と人材
・グローバル社会を生き抜く方法
この「成しとげる力」は、まずはじめに根性論的な記述があり「今の時代では通じないのでは?」と思ってしまいがちですが、読み進めていくといつの時代でも共通する経営者として必要なものは何かを数多く教えてくれる内容となっています。
そして、読んでいく中で、これから経営者として事業を行っていく上で多くの方が経験するであろう困難や失敗を「どのように受け止め」「どのようにして乗り越えていったのか」も教えてくれます。
自分の高め方や社員の扱い方なども多くの教えが書かれてあり、今後の会社運営にとても参考になります。
昔は、何もない時代だから会社を立ち上げたり、事業を起こすことは比較的簡単だったのではないかと思う方も多いと思います。そんな中でこの「成しとげる力」は、そんな考えを改めさせてくれる本です。
そして、会社を立ち上げ経営していくということはどうゆうことかを著者の永守重信紙が「実際に実行し、どうやって結果を残してきたか」「どれだけ必死だったのか」ということを通じて数多く学ぶことができます。
「危機に陥った時」「壁にぶつかった時」「人を叱る時」「落ち込んだ時」「成功した時」などのその時どきの気持ちも隠す事なく書かれているので、もし自分が同じような場面にあったときの心の支えり、自分でもなんとかやっていけると思わせてくれる本です。
この「成しとげる力」は、いつの時代にでも通じる経営者の心得を数多く教えてくれます。