エマニュエル・トッド Emmanuel Todd
1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(2002年)で「米国発の金融危機」を『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EC離脱なども次々に“予言”。著書に『エマニュエル・トッドの思考地図』(筑摩書房)、『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』『シャルリとは誰か?』『問題は英国ではない、EUなのだ』(いずれも文春新書)など。
歴史人口学者である著者のエマニュエル・トッド氏が、人口変化分析から見た今後の世界を予測し、現状の世界がどのような状態にあるかを解説しています。
様々な国での最近起こったことを「なぜそんな事が起こったのか」もあわせて説明しています。
・中国の出生率問題
・東アジアの今後の情勢予測
・日本が抱えているこれからの問題
・新型コロナによる各国の隠れた問題
・フランスのコロナ対策の実態
・各国の出生率の現状
・アメリカの世界情勢における現状
・核の傘の下といわれるものへの考え方
・核兵器の対する考えかた
・中国の将来像
・日本の少子化のこれまでと今後の状況
・移民受け入れの注意点
・世界の人口状況
・トランプ大統領から見えるアメリカの現状
・トランプとバイデンの得票の傾向
・EUの内情
・英国のEU離脱で見えてくるもの
・世界の富裕層の割合
・日本の天皇制の実情ととらえ方
この「老人支配国家日本の危機」は、題名とは少し違う印象を受ける本となっており、著者の人口学者の目線で「今の少子化がもたらすものは何か」そして「今後世界はどうなっていくか」を解説することにより、人口から見た世界の今後の状況とこれからの世界情勢予測を学べるものになっています。
世界の最近起きている現象についても「なぜそれが起こったのか」を学べることができ、隠れた原因を知ることができます。
この「老人支配国家日本の危機」は、多少過激な考えかたも述べられていますが、あまり聞くことのない考えかたなので、改めて考えると「それも一理あるな」ということを感じることができます。
そして、日頃考えていなかったような角度から世界を見ている視点で書かれているので、今起きている世界の事象の内部を新しい感覚で知ることができます。
日本のことだけでなく世界の現状を多数学べる本となってます。